船体、タンク、ガスホルダー等の鋼構造物、あるいはビルディング、橋梁等のコンクリート構造物の表面においては、防蝕、塩害防止、検査あるいは美観向上等の目的のため、塗装や検査の前処理作業として、ブラストクリーニングが広く実施されています。しかし、構造物壁面でのブラストクリーニング作業は高所での作業であるため大変危険で、労力を要し、また汚れる作業でもあるため、作業者の確保は困難です。一方、広大な表面積を有するこれらの構造物を補修する必要性は増加しており、人手不足の解消、工期短縮、コスト低減、安全性の向上、さらには環境汚染防止の見地から、ブラストクリーニング作業の自動化、ロボット化が求められています。
吸着自走式ブラストロボットは、構造物の壁面や天井面、あるいは床面に真空吸着し、その表面に沿って自走しながらブラストクリーニングを行えるリモートコントロール式のロボットです。吸着自走式ブラストロボットは、研掃材の循環機構及び集塵機構を保有しているので研掃材のコストも大幅に削減され、また粉塵による環境汚染の発生を未然に防止することができます。吸着自走式ブラストロボットは、高所作業において足場を必要とせず、安全で衛生的なブラストクリーニング作業を実現できます。